神ヤス番手別ガイド【#120〜#10000の使い分けと厚みの選び方】
神ヤスは「番手」だけでなく「厚み」で選ぶヤスリです。同じ#600でも1mm厚と10mm厚では仕上がりがまるで違います。この記事では#120〜#10000の番手と1〜5mm・10mmの厚みを、素組み磨き・塗装下地・クリアー研ぎ出しといった目的別に整理し、粗→中→細の正しい段取りまで図解でまとめます。
まず結論:番手×厚みの早見マップ
神ヤスは布ヤスリを丈夫なスポンジに貼り付けたスポンジヤスリです。布の追従性にスポンジのコシが加わり、好きな形にカットして使えます。選ぶ軸は2つ、番手(粗さ)と厚み(コシ)です。
結局まず1枚なら? 迷ったら3mm厚の中番手(#400〜#600あたり)から。ゲート跡・パーティングラインの処理に一番出番が多く、平面も緩い曲面もこなせます。厚みと番手をまとめて試したいなら、2mm・3mm・5mm×#120〜#10000を1枚ずつ集めたスペシャルパック(GH-KS-SP/35×20mm・計33枚)が便利です。
番手の基本:数字が小さいほど粗い
番手は数字が小さいほど粗く、大きいほど細かいです。#120は粗削り、#10000は鏡面磨き。ここを取り違えると仕上げの方向が逆になります。
神ヤスの高番手(#2000〜#10000)は「神ヤス!磨」シリーズで、艶出しや研ぎ出しに使います。下地を削る力はほとんど無いため、ゲート跡やパーティングラインは#400〜#800あたりで処理します。
いきなり高番手に飛ばさない。#120から#10000へ一気に上げても前の傷は消えません。粗→中→細と段階を踏み、前の番手が付けた傷を次の番手で消していくのが基本。目安は1段階あたり番手を2倍前後で上げていきます。
厚みで選ぶ:曲面は薄手・平面は厚手
神ヤスの一番の特徴は厚みのバリエーションです。厚み=スポンジのコシで、追従性と面の出方が変わります。
| 厚み | コシ | 得意な面 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1〜2mm | 柔らかい | 急なアール・曲面 | キャノピー等の透明パーツ、細部 |
| 3mm | 中 | 平面・アール・逆アール | オールラウンダー(最初の1枚) |
| 5mm | ややコシあり | 広い曲面・緩い曲面 | 大きめパーツ、持ちやすさ重視 |
| 10mm | 硬め(別設計) | 平面・エッジ出し | 面出し、角をシャープに立てる |
2mm厚はキャノピーのようにアールが急な面にも研面が当たり、透明パーツを深い傷を付けずに仕上げられます。3mm厚はアール・逆アールどちらもこなすオールラウンダー。5mm厚は広い曲面に程よいコシで、厚みがあり持ちやすいのが利点です。
10mm厚は別物:硬めスポンジで面出し
10mm厚だけはスポンジの硬さを大幅に変えた別設計です。硬さと厚みで当て木の効果が働き、力を入れずに面へ当てて動かすだけでパーツの角をシャープに立てられます。平面のヤスリ掛けに最適で、持ちやすい大きさも作業性の高さにつながります。
10mm厚を薄手と同じ感覚で曲面に強く押し付けると角を削りすぎます。硬いので、力を抜いて面に置き、そっと動かすだけで十分削れます。曲面には薄手を軽く沿わせ、平面出しには厚手、と役割を分けてください。
10mm厚の単番手パックは1番手12枚入り(約35×20×10mm)で、#120/#240/#400/#600/#800/#1000から選べます。艶出し用の10mm厚磨(GH-KS10-KB)は#2000/#4000/#6000/#8000/#10000の各2枚入りです。
目的別のゴール番手を決める
「どこまで磨くか」は作りたいゴールで変わります。むやみに超高番手まで磨くのが正解ではありません。
| 目的 | スタート | ゴール番手 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 素組みのゲート・段差消し | #400 | #800〜#1000 | 成型色そのままならここで十分 |
| 塗装の下地作り | #400 | #600〜#800 | 磨きすぎは塗料の食いつきを落とす |
| クリアー研ぎ出し・艶出し | #1000 | #2000〜#10000(磨) | 塗膜が乾いてから段階的に |
塗装するなら磨きすぎない。塗装前の表面をいきなり超高番手までツルツルにすると、逆に塗料の食いつきが悪くなることがあります。下地は#600〜#800程度で止めるのが無難です。研ぎ出しの超高番手は塗膜の上での作業と覚えておきましょう。
段取りフローと長持ちのコツ
神ヤスは番手の印刷面に滲みづらいインクを採用しており、水研ぎでもインクが溶けにくく、空研ぎ・水研ぎのどちらにも対応します。スポンジの色とプリント文字で番手を見分けられます。
切削力を復活させて長く使う
- 切削粉で目詰まりしたら、粉を落とすと切削力が復活する。
- 削りカスが付いた部分をメラミンスポンジで擦ると切削力が戻る。
- 使い込むと番手が少し落ち、中間の番手として使える(俗に「育った神ヤス」)。
神ヤスは消耗品です。よく使う#400・#600・#800は単番手パック(12枚入り・10mm厚)で持っておくと、途中で番手を切らして作業が止まることがありません。
この記事で紹介した道具・マテリアル
よくある質問(FAQ)
Q. 神ヤスは番手と厚み、どちらを先に選べばいいですか?
まず用途で厚みを決め、次に番手を選ぶと失敗しにくいです。曲面や透明パーツには1〜2mmの薄手、平面や角出しには10mmの厚手、どちらもこなす最初の1枚は3mm厚が便利です。厚みを無視して番手だけで選ぶと、狙った面の出方になりません。
Q. ゲート跡やパーティングラインは何番から始めればいいですか?
#400〜#800あたりの中〜低番手から始めます。#2000以上の磨シリーズは下地を削る力がほとんど無く艶出し・研ぎ出し用なので、跡消しには向きません。#400で削り、#600・#800と段階的に前の傷を消していくのが基本です。
Q. 塗装するときはどこまで磨けばいいですか?
塗装の下地なら#600〜#800程度で止めるのが無難です。いきなり超高番手までツルツルに磨くと、かえって塗料の食いつきが悪くなることがあります。#2000以上の鏡面磨きは、塗装後のクリアー研ぎ出しなど塗膜の上で使う工程です。
Q. 10mm厚は他の厚みと何が違いますか?
10mm厚だけはスポンジの硬さを大きく変えた別設計です。当て木の効果が働き、力を入れずに面へ当てるだけで平面が整い、パーツの角をシャープに立てられます。ただし曲面に強く押し付けると角を削りすぎるので、曲面には薄手を軽く沿わせてください。
Q. 神ヤスは水研ぎできますか?切削力が落ちたら?
空研ぎ・水研ぎのどちらにも対応します。番手の印刷は滲みづらいインクなので水研ぎでも溶けにくいです。切削力が落ちたら目詰まりした切削粉を落とすと復活し、削りカスが付いた部分をメラミンスポンジで擦っても切削力が戻ります。使い込むと番手が少し落ち、中間の番手として使えます。