持ち手・クリップ・塗装ベースの揃え方【持ち替えなしで塗り切る】
塗装で地味に効くのが持ち手とクリップ、塗装ベースの数と使い分け。1本の持ち手で全部やろうとすると持ち替えのたびに手が止まり、乾燥待ちの渋滞も起きます。クリップ型・3mm軸型・両面テープ型をパーツに合わせて揃え、穴の空いたベースに挿していけば、一度にたくさんのパーツを持ち替えなしで塗り切れます。この記事では選び方と挟む位置の鉄則を図解でまとめます。
なぜ「持ち替えなし」が重要なのか
塗装は塗る作業そのものより乾燥待ちの時間が長い工程です。持ち手が1本しかないと、1パーツ塗っては乾かし、乾いたら外して次を挟む……という流れになり、作業がぶつ切りになります。
持ち手とベースを数揃えると、連続して何個も塗ってそのままベースに挿す流れが作れます。塗りたての面を触れ合わせる事故も減り、同じ色を一気に吹けるので効率が上がります。
秋は作業量が増える時期。持ち手とベースは作業量に対して少し多めにあると乾燥待ちの渋滞が消えます。残りが少なくなったら補充しておくと手が止まりません。
持ち手は3タイプを使い分ける
「持ち手1種類で全部」は無理があります。パーツの形状によって最適な固定法が違うため、タイプを使い分けるのが持ち替えなしを成立させるコツです。
| タイプ | 向くパーツ | 代表例 |
|---|---|---|
| クリップ型 | 縁や軸など挟む所があるパーツ | タミヤ ワニグチクリップ(74528) |
| 3mm軸型 | ダボ穴・3mm穴のあるパーツ | Mr.ネコの手・持ち手棒 3mmジョイント(GT133) |
| 両面テープ型 | 平面があり掴む所の無い小物 | 市販の持ち手棒+強力両面テープ |
| ショート型 | 高さ制限のある場所・干渉を避けたい時 | Mr.ネコの手・持ち手棒ショート(GT132) |
Mr.ネコの手・持ち手棒 3mmジョイントは、3mm径の穴に挿せる軸と3mm軸を挿せる穴を1本にまとめた構造で、塗膜でパーツの軸径を変えずに固定できます。ショートは全長130mmと従来より約4cm短く、従来品と併用して部品同士の干渉を防げます。
挟む位置の鉄則【組むと隠れる部分を掴む】
最もやりがちな失敗が、クリップで外装の見える面を挟んでしまうことです。そこは塗膜が傷ついたり跡が残ったりします。挟むのは組み立てると見えなくなる・塗らなくていい部分が鉄則です。
- 股関節やボールジョイントの接続軸
- 裏側のスナップフィット(はめ込み)のダボ
- 組むと重なって見えなくなる合わせ目の内側
どうしても挟む所が無いパーツは、隠れる場所に穴を開けて真鍮線を挿し持ち手にする、裏に爪楊枝を当ててマスキングテープで固定する、といった方法を使います。外装の表側に跡を残さないのが最優先です。
穴径と素材を合わせる【買う前の確認】
持ち手とベースを別々に買うとき、見落としがちなのが軸径とベースの穴径の相性です。穴に対して軸が細すぎると、挿したパーツが回転・傾いて隣と干渉します。
ハイキューパーツの持ち手は軸2.5mmで固定力を確保しています。持ち手の軸径とベースの穴径はセットで考えると失敗しません。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 軸径 | ベースの穴に対して細すぎないか(太めが安定) |
| 長さ | 塗装ブースの天井に当たらないか(長い時はショート型) |
| 素材 | オールメタルかプラ・木軸か(洗浄可否が変わる) |
オールメタル製の持ち手・クリップはシンナー漬けで洗浄できますが、ポリエチレン製の持ち手棒やプラ・木軸は溶剤で傷んだり接着が外れたりすることがあります。汚れたらシンナー洗浄する前提なら、金属製を選ぶのが確実です。
塗装ベースの選び方
持ち手を立てておく塗装ベースは、穴に一定間隔で挿してパーツ同士の接触事故を防ぐのが役目です。素材で性質が変わります。
| 製品 | 特徴 |
|---|---|
| Mr.ネコの手ステーション(GT89) | ハニカムコアで高さ5cm、長い持ち手棒も保持。持ち手棒4本付属 |
| ハイキューパーツ ペインティングベース3 | PEフォーム製。軽く水分を吸わず乾燥中に湿度が上がりにくい。高さが低くブース天井に干渉しにくい |
| タミヤ ペインティングスタンドセット(74522) | ターンテーブルとボディスタンドの2タイプ。クリップ4個付き、丸穴・角穴あり |
PEフォーム素材は水分を吸わないため乾燥中に気化して湿度を上げにくいのが利点。カビやかぶりが気になる季節の作業と相性が良いです。
両面テープ型のコツと手順
掴む所の無い平たい小物は両面テープで持ち手に固定します。ここで大事なのはテープの厚さより『強力さ』です。弱いテープは乾燥中にパーツが落下します。
サフ後に一度外すと再利用した粘着は不安定です。サフ→本塗装と工程をまたぐときは、上から両面テープを巻き直すのが安全です。
安価で粘着の弱い両面テープは、糊がパーツに残ったり乾燥中に落下したりします。持ち手固定には強力タイプを選び、糊残りが心配な面には使わないようにします。
最初に揃える数の目安
1キット分を持ち替えなしで塗るなら、持ち手はパーツの最大同時塗装数+予備が目安です。多色塗り分けをするほど数が要ります。
市販の持ち手棒は20本・36本入りなどまとまった数で売られています。種類を混ぜて揃えることで、クリップで掴めないパーツ、ダボ穴があるパーツ、平たい小物のすべてに対応でき、持ち替えの手間がなくなります。
使っているうちに持ち手は塗料で汚れ、クリップの歯もへたります。残りが少ない・保持力が落ちたと感じたら補充しておくと、塗装の途中で手が止まりません。
この記事で紹介した道具・マテリアル
よくある質問(FAQ)
Q. クリップはどこを挟めばいいですか?
組み立てると見えなくなる部分や塗らなくていい部分を挟むのが鉄則です。具体的には股関節やボールジョイントの接続軸、裏側のスナップフィットのダボ、重なって隠れる合わせ目の内側などです。外装の見える面を挟むと塗膜に跡が残るため避けます。掴む所が無いパーツは隠れる場所に穴を開けて真鍮線を挿すか、裏に爪楊枝を当ててマスキングテープで固定します。
Q. 持ち手は1種類だけでは足りませんか?
パーツの形状はさまざまなので、1種類だと対応できない物が必ず出ます。縁や軸を挟めるクリップ型、ダボ穴に挿す3mm軸型、掴む所の無い平たい小物用の両面テープ型、干渉を避けたい場所用のショート型を使い分けると、持ち替えなしで一気に塗れる状態が作れます。
Q. 汚れた持ち手はシンナーで洗えますか?
オールメタル製の持ち手やクリップはシンナー漬けで洗浄できます。一方でポリエチレン製の持ち手棒やプラ軸・木軸は、溶剤で傷んだり接着部が外れたりすることがあるため、シンナー漬けは避けます。洗って繰り返し使う前提なら金属製を選ぶと確実です。
Q. ベースの穴径と持ち手の軸径は合わせる必要がありますか?
合わせる必要があります。穴に対して軸が細すぎると、挿したパーツが回転したり傾いたりして隣のパーツと干渉します。太めの軸ほどまっすぐ安定します。持ち手とベースはセットで相性を考えて選ぶと失敗が減ります。
Q. 両面テープはどんな物を使えばいいですか?
厚さより『強力かどうか』を優先します。粘着の弱いテープは乾燥中にパーツが落下したり糊が残ったりします。またサフ後に一度外して貼り直した粘着は不安定になるため、サフから本塗装へ工程をまたぐときは上から両面テープを巻き直すのが安全です。