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うすめ液・ツールクリーナーの選び方と使い分け【減り方の目安と常備量】

塗装・基礎知識
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「うすめ液」と「ツールクリーナー」は名前が似ていますが役割はまったく別。塗料の種類に合わないうすめ液を選ぶと希釈できず、洗浄液を希釈に使うと塗料が壊れます。この記事では塗料系統別の選び方、ラッカーうすめ液の3系統、白化対策、洗浄の手順、そして「どれくらいで減るか・何を常備するか」までを図解でまとめます。

OVERVIEWうすめ液と洗浄液は「別の道具」うすめ液(希釈用)・塗料をのばして塗れる濃さにする・塗料の種類に合わせて選ぶ・使用直後の筆や用具の洗いにも可・ラッカー3系統+水性+アクリルツールクリーナー(洗浄用)・固着した塗料を強力に落とす・希釈には使わない(塗料が壊れる)・成型色の塗膜剥がしにも使わない・エアブラシ内部の掃除に最適選ぶ順番① 塗料の系統を確認(ラッカー/水性/アクリル)② 希釈用うすめ液を系統に合わせて選ぶ③ 洗浄用に大容量のクリーナーを1本④ 小分けボトルで希釈用と洗い用を分ける

まず結論:うすめ液と洗浄液は役割が別

この2つを混同すると、塗装がうまくいかないだけでなく塗料をムダにします。うすめ液は塗料をのばして塗れる濃さにするもの、ツールクリーナーは用具に固着した塗料を強力に落とすものです。

Mr.ツールクリーナー改のような洗浄専用の溶剤をうすめ液代わりに使うと、塗料成分そのものを破壊してしまい正しく塗れません。逆に、乾いてカチカチになった塗料はうすめ液では落ちにくく、洗浄液の出番になります。

迷ったらまずこの1品:Mr.カラーうすめ液(T104・400ml)。ラッカー塗料の希釈にも、使用直後の筆・用具の洗いにも使える標準品で、大容量を小分けして使えば経済的です。ラッカーを使わない人は自分の塗料系統に合わせて選び直してください。

項目うすめ液(希釈用)ツールクリーナー(洗浄用)
主な役割塗料の希釈用具の洗浄
塗料の希釈に使う×(塗料を壊す)
使用直後の筆洗い
固着塗料の除去
成型色の塗膜剥がし××(下地を侵す恐れ)

塗料の系統別:どのうすめ液を選ぶか

うすめ液選びで最初に確認すべきは塗料の系統です。ラッカー系(Mr.カラーなど)と水性ホビーカラー、タミヤアクリルでは、それぞれ専用のうすめ液が必要です。ラッカーうすめ液で水性塗料は正しく希釈できませんし、逆も同様です。

MATCHING塗料の系統に合わせて選ぶラッカー系Mr.カラー等→ Mr.カラー うすめ液レベリング/ラピッドも同系統水性ホビーカラー水性→ 水性ホビー カラー用うすめ液エアブラシは最大1:1で希釈タミヤアクリルアクリル塗料→ アクリル溶剤 X-20A希釈/ふき取り/洗浄に対応

ラッカー系(Mr.カラーなど)

Mr.カラーうすめ液(T101〜T104)が標準品です。塗料の希釈だけでなく、使った直後の筆や用具の洗浄にも使えます。容量はT101=50ml/T102=110ml/T103=250ml/T104=400mlの4種類。まとめて使うなら400mlの特大が経済的です。

水性ホビーカラー

水性ホビーカラー用うすめ液(T110=110ml/T111=400ml)を使います。エアブラシで塗る場合は塗料1に対しうすめ液を最大1(1:1)まで加えて希釈します。水で薄めるより乾燥速度が上がり、塗料の弾き現象を軽減できます。用具の洗いにも使えますが、完全に乾いた塗料の除去にはMr.ツールクリーナー改を使います。

タミヤアクリル

タミヤカラー アクリル溶剤(X-20A)を使います。うすめ用・ふき取り用・洗浄用に使える有機溶剤で、容量は10ml/46ml/250mlの展開。よく使うなら特大の250mlが便利です。

系統違いのうすめ液は「なんとなく薄まる」ように見えても、塗膜が正常に形成されずヒビ・くもり・剥がれの原因になります。ボトルのラベルで塗料の系統と対応うすめ液を必ず確認してください。

ラッカーうすめ液の3系統:通常・レベリング・ラピッド

ラッカー系には性格の違う3種類のうすめ液があります。違いは主に乾燥速度で、塗る対象によって向き不向きがあります。

種類乾燥速度特徴向いている塗装
Mr.カラーうすめ液標準希釈・洗浄の万能全般・つや消し・メタリック
レベリングうすめ液遅い溶解力が高くリターダー入り、表面がなめらか光沢塗料
ラピッドうすめ液早いすばやく乾くつや消し・メタリック
DRYING SPEED乾燥速度で使い分ける遅い早いレベリング光沢向き通常万能ラピッドつや消し/メタリック

レベリングうすめ液は通常品に比べて溶解力が高く乾燥が遅い(リターダー=乾燥遅延剤入り)ため、エアブラシで光沢塗料をなめらかに塗るときに効力を発揮します。表面が均一にレベリング(平滑化)されるので、光沢仕上げに向いています。

レベリングは乾きが遅いので、つや消し塗装や乾燥を急ぎたい場面には不向きです。乾く前に空気中の水分を巻き込んで白化したり、ホコリが付いたり、いつまでもベタついたりします。つや消し・メタリックは標準うすめ液かラピッドを選んでください。

夏の白化(かぶり)対策は乾燥速度でコントロール

湿度が高い時期にラッカー塗装をすると、塗った表面が白くくもる「白化(かぶり)」が起きることがあります。これは乾燥時に塗膜が空気中の水分を巻き込むために起こる現象です。

DO / DON'T白化を防ぐ考え方Do・湿度の低い時間帯・環境で塗る・遅乾側(レベリング)で表面をゆっくり乾かす・薄く重ねて厚塗りしないDon't・多湿の日に一気に厚塗り・早乾側で急がせすぎる・エアブラシを遠くから吹く

対策の基本は、乾燥をゆっくりにして水分を巻き込む前に溶剤を飛ばすこと。光沢塗装ならレベリングうすめ液のように遅乾側を使うと、表面がゆっくり整いながら乾くため白化しにくくなります。あわせて湿度の低い環境で塗る、薄く重ねるといった基本も効きます。

もし白化してしまった光沢面は、その上から遅乾側のうすめ液を薄く吹き直すと表面が再溶解して回復することがあります。無理に厚吹きせず、様子を見ながら少量ずつ試してください。

ツールクリーナーの使いどころ

洗浄専用の溶剤は、うすめ液では落としきれない固着した塗料に使います。エアブラシの内部洗浄や、乾き始めた塗料が残った用具の掃除で本領を発揮します。

CLEANING FLOW洗浄の基本手順1残塗料を出すカップの塗料を廃棄2うすめ液で洗うまずは希釈用で予洗い3クリーナー固着分を強力に除去4乾燥・組戻し溶剤を飛ばして保管

ツールクリーナーを塗膜剥がし(成型色のプラに使う塗料はがし)目的で使ってはいけません。下地のプラを侵す恐れがあります。塗膜の剥離には専用のペイントリムーバーを使ってください。また希釈に使うと塗料成分を破壊するため、あくまで洗浄専用と割り切ります。

硬化した塗料が復活しないとき

ビンの中でカチカチに硬化したMr.カラーは、レベリングうすめ液やMr.カラーうすめ液を足しても再溶解できない場合があります。そのときはT115 Mr.カラー専用 真・溶媒液を使います。うすめ液を足しても元に戻らないケースは、これが役割分担のうえで正しい選択です。

減り方の目安と常備量

うすめ液と洗浄液は消耗品です。塗装量が増えるほど減りが早くなります。切らすと作業が止まってしまうので、残りが少なくなったら補充を基本に、大容量を持って小分けして使うのが経済的です。

DECANT大瓶→小分けで無駄なく使う大容量400ml希釈用洗い用希釈用と洗い用を分けると大瓶が汚れず長持ち

T104(400ml)の特大は割れないプラスチック容器で、塗装用と用具の洗い用に小分けしておくと大瓶を汚さずに済みます。洗い用は塗料で汚れても構わないので、汚れたら入れ替えれば大瓶がきれいなまま保てます。

用途常備の考え方容量の目安
ラッカー希釈用メインで消費。大容量を常備250〜400ml
ラッカー洗い用希釈用を小分けで流用小分けボトル
ツールクリーナーエアブラシ派は必須250〜400ml
水性/アクリル用使う塗料系統だけ用意110〜250ml

買い足しのタイミングと確認方法

「気づいたら空だった」を防ぐには、残量を目で確認できるようにしておくのがコツです。透明ボトルなら残量が見え、小分けボトルなら一目でわかります。

CHECK補充のサイン大瓶の残りが底から数センチになった洗い用が塗料で濁って洗浄力が落ちた大型キットの製作を控えて消費が増えそう

秋の塗装シーズンなど塗装量が増える時期は、洗浄液・うすめ液の消費も増えます。残りが少ないと感じたら早めに補充しておくと、作業の途中で止まらずに済みます。特にエアブラシ派は洗浄液の減りが早いので、洗い用を切らさないことが快適さに直結します。

洗い用の溶剤が濁ってきたら「洗浄力が落ちたサイン」。無理に使い続けず、大瓶から小分けボトルに新しく移し替えると、少ない消費でしっかり洗えます。汚れた分は自治体のルールに従って処理してください。

この記事で紹介した道具・マテリアル

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GSIクレオス Mr.カラーうすめ液 特大 T104 400ml
Mr.カラー(ラッカー系)の希釈と用具洗浄に使える標準うすめ液の大容量版。塗装用と洗浄用に小分けしておけば、日々の希釈から筆・カップのすすぎまで幅広くまかなえます。
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GSIクレオス Mr.ツールクリーナー改 T113 250ml
筆やエアブラシに付いた塗料を強力に落とす洗浄専用液。塗装後のエアブラシ内部やハンドピースの固着塗料落としに。希釈には使わず、洗浄用として一本常備しておくと安心です。
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GSIクレオス 水性ホビーカラーうすめ液 T111 400ml
水性ホビーカラー専用のうすめ液。筆塗りは少量添加、エアブラシは1:1希釈が目安で、水だけより弾きが減り塗りやすくなります。水性派の希釈・すすぎに常備しておく一本。
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よくある質問(FAQ)

Q. うすめ液とツールクリーナーは何が違いますか?

うすめ液は塗料をのばして塗れる濃さにする希釈用、ツールクリーナーは用具に固着した塗料を強力に落とす洗浄用です。ツールクリーナー改を希釈に使うと塗料成分を破壊してしまうため、希釈には使いません。逆に完全に乾いた塗料はうすめ液では落ちにくく、洗浄液が向きます。

Q. ラッカーうすめ液で水性塗料を薄めても大丈夫ですか?

いいえ。塗料の系統に合わないうすめ液では正しく希釈できず、塗膜のヒビやくもりの原因になります。水性ホビーカラーには水性ホビーカラー用うすめ液、タミヤアクリルにはアクリル溶剤X-20Aというように、塗料系統に合わせて選んでください。

Q. レベリングうすめ液はどんなときに使いますか?

通常品より溶解力が高く乾燥が遅い(リターダー入り)ため、エアブラシで光沢塗料をなめらかに塗るときに向いています。逆につや消しや乾燥を急ぎたい場面では白化やベタつきの原因になるため不向きで、その場合は標準うすめ液かラピッドを選びます。

Q. ビンの中で硬化した塗料はうすめ液で復活しますか?

カチカチに硬化したMr.カラーは、レベリングやMr.カラーうすめ液を足しても再溶解できない場合があります。その際はT115 Mr.カラー専用 真・溶媒液を使います。うすめ液を足しても戻らないケースがあるので、役割の違う溶媒液を用意しておくと安心です。

Q. ツールクリーナーで塗装済みの塗膜を剥がせますか?

剥がし目的では使わないでください。成型色のプラに使うと下地を侵す恐れがあります。塗膜の剥離には専用のペイントリムーバーを使います。ツールクリーナーはあくまで用具の洗浄専用と割り切るのが正しい使い方です。

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この記事を書いた人

TSUMI TSUMI

積みプラ管理アプリ「ツミツミ」を作って運営しています。自分自身も買ったキットを把握しきれない積み師の一人で、ガンプラ・カーモデル・スケールモデルを実際に製作しながら記事を書いています。紹介する工具・塗料は自分で購入して使い、効果を確かめたものが中心です。

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